愛と音の花束を
達する瞬間に見えたり感じたりする景色は、人によって違うときく。
真っ白になるとか、光がはじけるとか、空から落ちるとか。

私はそういうのを見たことがなかった。


だけど。

長く、深く、
愛され、愛して、
身体も心も、“好き”で溢れた今日。


頂点に昇りつめた瞬間、


–––––––宇宙を感じた。


無数の星が光っていて、

無重力状態でふわりと浮いていて、

何も音がしない、

宇宙。










意識が現実世界に戻ってくる。

身体は、大好きな人と重なったまま。
心は、広い宇宙で生かされている有難さと、
愛する男性と巡り会い繋がれた喜びでいっぱい。

そんななか、
お互いの荒い呼吸が重なって、
お互い生きてるんだ、と
すごく神妙な気持ちになって、
汗ばむ背中に回した手に力をこめる。

「結花……愛してる」

私の額にキスをする那智の瞳には、涙がにじんでいた。

その表情を見て、また、たまらないくらい愛おしくなって、彼の頬を撫でながら、

「私も、愛してる」

と口にした。

「気持ちよすぎ」
「幸せすぎ」

お互い言い合って、微笑みを交わす。

幸せで、幸せで、
私は再び、
この感触をずっと覚えていられるよう、
心に刻みつけた。






< 326 / 340 >

この作品をシェア

pagetop