愛と音の花束を
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2人揃って公民館の大部屋に入ると、みんなの視線が生温かい。
まあ、そこは年の功。
涼しい顔をして、お互い、それまでと変わらない場所で楽器を広げる。
那智の周りには若手男子チーム。
「やっぱり土日夜に練習にお邪魔するのは遠慮した方がいいですかね」
「当たり前だろ。ねえ、椎名さん」
「いや、土曜夜なら大丈夫だよ。向こうも仕事で会えないから」
そうなんです、どうぞお気になさらず。
「日曜夜は悪いけどピアノ弾きたいから」
「どうぞどうぞ!」
「頑張ってください!」
私の周りには、望月さんと野田さんはじめ、若手女子チームがやってきた。
「永野さん、おめでとうございます!」
そう声を揃えて、かわいくラッピングされた小さな袋を差し出される。
……何?
久々に彼氏できておめでとうのプレゼント?
そんなバカな。
「お誕生日おめでとうございます!」
あ、そっちか。
先日34歳になった。自分で信じられない。
「ありがとう。いいの?」
こんなのもらうの、初めてだ。
「ヴァイオリン女子からです! お返しは不要ですから!」
いやいやそんなわけには。
今度の定演の個人へのお花、奮発しよう。
「開けてみてください」
との声に、袋を丁寧に開けていくと。