きみのおと


なにも変わらない。
そう決めつけて。


でも、昔とは違う今があることにようやく気付いた。
だったら僕だって変われるかもしれないと。




「あ、お前ら二ノ宮さんのところ行ってたんだって?」

「あ?ああ・・・」



教室に戻った僕たちに、クラスメイトの中川くんが声をかける。
今まで、ほとんど関わりなんてなかったけど。
中川くんはクラス委員だから、学校の事でのやり取りくらいはしてた。




「大丈夫だったか?」

「う、うん・・・」

「あれ、久賀くん。また声でるようになったんだ。よかったね」

「あ、うん・・・。ありがとう」




僕とほとんど関わりなんてないクラスメイトにも、そんな風に言ってもらえたことは僕にとってすごくかけがえのないものだった。
クラスメイトは皆敵だってくらいに思ってたから。
僕の事なんて、気にかけてる人なんていないって思ってたから。

僕の声が出たこと、先生も喜んでくれた。
そして、中川くんにまでよかったって言ってもらった。

僕の世界が変わってく。




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