朝焼け
家の鍵をかけて、手を繋ごう、と無言で手を差し出す。


薫は嬉しそうにその手を取ってくれた。



晃の家までゆっくり歩いて30分。



…もっと遠ければいいのに。


と、初めて思った。



晃の家に着き、チャイムを鳴らすと寝起きの由美が出て来る。



薫が寝起きの由美は怖いって言ってたイミを今実感。



本当にすげぇ怖い。



晃の部屋につくまでにはいつもの由美に戻ったけど…。



あのお喋りな由美が。


話好きな由美が。



話し掛けるなオーラを体中から発していた。



迂闊に話し掛けると首でも絞められそうな、そんな雰囲気。



普段はイイ子だけど…
このギャップは逆にヒくよ。


晃は強いよな。
それだけ好きなんだろうな。
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