狼な彼と赤ずきん
「ねえねえ、狼さん」



住人たちの怪我もおおかた治って、森にふたたび平和が訪れた頃。


私は狼の背中に抱きついて甘えていた。



「暑苦しいな……離れろ、離れろって」



彼は顔をしかめるが、心の底から嫌がっているわけではなさそうだ。



「ねえ狼さん、私のこと愛してる?」



思い切って、尋ねてみた。


きっと愛されているんだろうと思うけれど、やっぱり今まで言葉で直接言われたことがないというのはちょっと寂しい。


アドランの言葉も気になっていた。
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