狼な彼と赤ずきん
先に折れたのは狼の方だった。



「ああ、愛してるよ、十年前、出会った時から一目惚れだ。お前のこと、心から愛してる。愛してる、愛してる……」



今まで会えなかった分を埋めるかのように、嫌というほど告げられる愛の言葉。



「はあ……こんな恥ずかしいこと、言わせるんじゃねえ」



彼は頬を手で押さえながらため息をついた。



――ようやく、聞けた。



私の目から涙がこぼれ落ちる。


嬉しくて、幸せで。


流れた涙を、狼はぺろりと舌先で舐めた。


それにすら、私は感じてしまう。



「狼さん、私も、私も愛してる……!!」
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