狼な彼と赤ずきん
「行かないわ!みんなの怪我を治してよ!元通りにしてよ!お願い、アドラン、ここの人たちは悪くないわ、お願い、お願い……!!」



「彼らはお前を騙して監禁したんだ。相応の報いだろう」



彼は私にキスをして抱き上げ、馬の背に乗せた。



「嫌、だめ、やめて、私はみんなと一緒に暮らしたいの、ねえ、狼さん、狼さん……!!」



「赤、ずきんを……返…せ……」



血の海の中で、狼が私に手を伸ばす。


しかし、私はその手を掴めなかった。



「黙れ、獣」



騎士の一人が彼の頭を蹴ると同時に、私を乗せた馬が走り出してしまったのだ。



「嫌ああああ……!!」
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