狼な彼と赤ずきん
私は森を駆ける馬の上で、ずっと涙を流していた。


騎士たちが森に攻め込んだ理由、それは「不浄の森の汚らわしき者たちにさらわれた」私を助け出すためだったのだろう。


そして、住人たちは私に黙って作戦を立て、ただ突然ふらりと森にやってきて居候を始めただけの私なんかを守るために戦ったのだ。



馬鹿な狼さんたち……。



涙をこぼす私を見て何を勘違いしたのか、アドランは私の肩を抱き、ずっと頭を撫でていた。


しかし、狼にそれをされた時のような安心感はない。


むしろ、吐き気がしそうだ。




「アレシア。俺はずっとお前のことが好きだったんだ。大丈夫、そんな不安そうな顔をしなくても、奴らの洗脳なんてすぐに解けるさ。いや、俺が何としても解いてやる……そして、結婚しよう、アレシア。二人で幸せな家庭を築くんだ」
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