狼な彼と赤ずきん
まるで正義のヒーロー気取りの彼に、私は返す言葉もなかった。


人をさんざんいじめて傷つけておいて、今になって「好き」だなんて。


挙句、私の大切な人たちに大怪我をさせて。


もしかしたら、彼らは死んでしまうかもしれないのに――。


どこまでも自分勝手な彼に返す言葉もなく、ただ絶望感に呆然とするばかりの私に、アドランはにっこりと微笑んだ。



「結婚と聞いて焦ったか?大丈夫だ。お前は身分の差が気になるんだろうが、そんなくだらないことでお前を傷つける奴がいたら、俺が許さない」
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