おためしシンデレラ
「取り敢えずメシか」
「すぐに用意します」
さっきスーパーに寄ったときに3日ほどの食料は仕入れた。仕事帰りに買い物できないことも見越して。
三村がキッチンの棚からクリアファイルを取り出す。
「好きなもの頼んだらええ」
莉子が手に取ってパラパラと捲ると、あらゆるデリバリーのメニューが並んでいた。
「バカですか」
「なんやと?」
「なんのためにスーパーに寄ったと思ってるんですか。材料があるんやから作りますよ」
「メンドーやろ」
いとも簡単におぼっちゃまが言い捨てる。莉子が腰に手を当てて三村を見上げて睨んだ。
「世の中の奥さん、お母さんはメンドーでもすぐにデリバリーなんて利用しません!社長はお金持ちやからわからへんと思いますけど」
「・・・・・お前、今さり気なくオレをバカにしたな?」
「バカになんてしてませんよ、いい機会やから庶民の常識を叩き込もうとしてるだけです!」
ふんっ、と莉子が鼻を鳴らしてキッチンに引っ込む。