おためしシンデレラ


「取り敢えずメシか」

「すぐに用意します」

さっきスーパーに寄ったときに3日ほどの食料は仕入れた。仕事帰りに買い物できないことも見越して。

三村がキッチンの棚からクリアファイルを取り出す。

「好きなもの頼んだらええ」

莉子が手に取ってパラパラと捲ると、あらゆるデリバリーのメニューが並んでいた。

「バカですか」

「なんやと?」

「なんのためにスーパーに寄ったと思ってるんですか。材料があるんやから作りますよ」

「メンドーやろ」

いとも簡単におぼっちゃまが言い捨てる。莉子が腰に手を当てて三村を見上げて睨んだ。

「世の中の奥さん、お母さんはメンドーでもすぐにデリバリーなんて利用しません!社長はお金持ちやからわからへんと思いますけど」

「・・・・・お前、今さり気なくオレをバカにしたな?」

「バカになんてしてませんよ、いい機会やから庶民の常識を叩き込もうとしてるだけです!」

ふんっ、と莉子が鼻を鳴らしてキッチンに引っ込む。
< 44 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop