おためしシンデレラ
「・・・・・冗談は置いといて、話って何ですか?」
「冗談でもないけどね」
含み笑いをした穂村に1枚の履歴書を渡された。
ざっと見た莉子が呟く。
「・・・・・なんか凄いですね」
「そう、英仏日、3ヶ国語に加えてタイ語も出来て、アメリカの有名大卒の才女の上に容姿端麗。非の打ち所がなくてイヤミに感じるけど性格もサバサバしてて明るいコらしい」
「はあ」
「外資系銀行から引き抜いて来月からウチで秘書業務に付いてもらう」
なんだろう?
教育係でも言いつかるのだろうかと莉子は穂村を見た。
「・・・・・会長や前会長は公私共に和生のパートナーにと望んでる」
穂村が莉子に微笑み問いかける。
「構わへん?豆田くんに最初は色々教えてもらわないとダメやけど」
「構うとか構わへんとか・・・・・業務だし仕方ないですよね」
何故改めてこんな風に聞かれるのか、その理由が分からない。
「ホントに?」
「ちゃんと猛獣の取り扱い方を伝授します」