おためしシンデレラ


暫く当たり障りのない仕事の話などをして、2人で席を立つ。莉子が中田のカップも片付けようと手を伸ばすと、中田が僕がと莉子のカップまで持ってダストボックスまでさっさと歩いて行った。

その姿を少し離れたところでぼんやり見ていると、中田がカップを握り潰して乱暴にダストボックスに投げ込んでいる。

その姿を意外に感じながら、戻ってきた中田と別れた。



お惣菜と缶ビールを数本買って、三村の家に戻るとソファーに倒れ込む。

「疲れたー、っていうか気疲れか」

この近くに住んでいるなんて知らなかった。

悪い人ではないと思う。
寧ろ優しい大人だ。

何で良い返事ができなかったんだろう。

考えるのが面倒になった莉子はお風呂を済ませ、さっぱりしてからソファーでテレビを相手にご飯を食べてビールを飲む。

やがて程よくビールが全身に回り、気持ち良くなった莉子はソファーで寝込んでしまい、いつ三村が帰ったのかも気付かなかった。




三村は莉子に随分いい寝具を用意してくれていた。フローリングにマットレスをひいて布団をセットして寝ているが、自分の家のベッドより寝心地が良いくらいだ。
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