おためしシンデレラ
「気に・・・・・?」
「はい。できれば三村さん抜きでもう一度お会いしたいと思うくらいには」
苦笑混じりで返される言葉が徐々に莉子の頭の中で意味を成す文章へと変換されていった。
「えぇっっ!?」
焦った莉子が思わず声をあげる。
僅かな時間話しただけなのに、莉子の何が気に入ったのだろう。
自慢ではないが一目惚れされるような容姿でもないし、取り立てて話術が巧みというわけでもない。
「え・・・・・と、あの・・・・・」
情けないことに経験がなくて挙動不審になってしまう。
「いいですよ、良い返事が貰えるとは思っていませんから。ただ今日、偶然お会いしたのでちょっとお話したかっただけです」
「すみません・・・・・」
「僕、この近くのマンションに住んでいるのでまた偶然お会いするかもしれません。その時は顔見知りとして少しおしゃべりに付き合っていただけると嬉しいです」
「あ、はい」
辛うじて笑みを浮かべた。
莉子はあと2週間ほどでこのスーパーには来なくなるけれど。