おためしシンデレラ


三村もツマミにでもするのかブルーチーズを取ってカゴに入れる。

「お前、1ヵ月頑張ったからな。ご褒美や」

莉子が歩みを止めて、思わず三村を見上げた。三村がちょっと口の端を上げて莉子の頭を撫でる。

「文句も言わんと大変やのに家事も仕事もよくやった。そこは認めてやる」

不意打ちの賛辞を与えられた莉子は驚きで目を瞠った。

「マメダヌキが豆鉄砲食らったような顔すんな」

「・・・・・・・・・・鳩ですよ」

「ええんや、お前はマメダヌキやから」



褒めてもらえるとは思わなかった。無理矢理ルールを作った莉子のことを内心ではさぞかし恨んでいるだろうと思っていたのに。

認められたことがなんだか嬉しい。

ご機嫌でカートを押して行く三村を莉子は早足で追いかける。

木曜日は社長の好きなモノを作ってあげようと決心して。


買い物を終え、徒歩でマンションに戻ると入口には小林がいた。連れ立って帰ってきた三村と莉子を見て僅かに眉間に皺を入れるのを莉子は気付く。
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