運命のヒト
時は流れる
結局、ユミに会うことはないまま、俺は決まっていた会社に就職した。


本当なら‥


俺は同じコンビニのバイトでユミと仲良くなり、ユミとカラオケに行ったり、ゲームしたり、プリクラを撮ったり。ディズニーランドに行ったりしたはずだった。


そして‥ユミに少し惹かれていた俺がいるはずだった。


でも、この世界にはそんな俺はいないんだ。
いや、そんな記憶を持つ俺はいるわけで。
なんていうか、その記憶がただの夢や妄想だったかのように思えてくる。


「新入社員のサトルです。一生懸命頑張りますので、宜しくお願いします。」


俺は会社でありきたりな挨拶をしていた。
たぶん前も同じような挨拶だった気がする。。


それから月日は流れ‥‥









本当ならそこから7年間はこの会社に勤めるはずだったが、5年間で会社を辞めてしまった。


会社の愚痴を言っていた相手、
週末気晴らしに遊んでくれた相手、
ユミがいないからなのかは分からないが。
俺の過去は変わっていく。


もはや前の記憶はほとんど消えかけていた。
人は悲しいくらい忘れていく生き物。
たしかそんな曲の歌詞があったようななかったような‥。


俺は会社を辞めた後、なんとなくだが、バイトしていたコンビニへ戻る。


いつかユミに出会えるような‥
そんな気がしていたからなのかもしれない。


しかし、いくら経ってもユミは現れない。
もういいかげん、ユミのことは忘れたほうがいいのかな‥。
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