潮風とともに
万里江のお母さんは涙を浮かべ、頭をさげたまま。
「本当に申し訳ありませんでした。
この子がここまで分別の付かない子だなんて、
慰謝料は必ず、お支払いします。」
万里江のお父さんがそういったので
私はお父さんへ視線をむけた。
「それは、貴殿方が支払うということでしょうか。
そりゃ、子どものしたことを親が責任を負うのが当たり前かもしれませんが、
それでは彼女はなんら痛くも痒くもありませんよね。」
私はそこで初めて万里江に視線を合わせた。。
「万里江、あなたはもう24歳の大人でしょう。善悪の分別がつく大人。あなたは私が相澤剛と婚約をしていたことを知りながら、身体の関係を半年間も続けてきた。
それが原因となって、婚約が破談になった。
だからあなたは私から慰謝料を請求されているの。
あなたの親にじゃない。あなた自身に。
一ヶ月以内にここに書かれた金額を支払ってください。
貯金がないなら、銀行からあなた名義で借りて借金をすればいい。
あなたはそれだけのことをしたの。
あなたのしたことは、非常識なことであって、人から後ろ指をさされて笑われることよ。」
私がたんたんと言うと、万里江は悔しそうな顔をして、手を握りしめた。