潮風とともに
「だってそうだろう?この間婚約を破断してまだ一ヶ月。それでも彼氏を連れてくるってことは、本気で付き合っているのだろうって思ってね。
それに、春には沖縄に引っ越しするって言ってたから……父さんはてっきりな……」
お父さんは恥ずかしそうに頭をかいた。
「そうよ。波瑠くん、言い直したら?
もういっそのこと、明日にでも結婚してくれていいのよ?」
お母さんまでっっっ!!!
お兄ちゃんがまたコーヒーを溢して今度は叱られていた……
「……あの、反対とかではないってことですよね?
もちろん結婚は考えています。でも今は離れているのもあって……」
「だからこそじゃない!
それに、瑠碧!あんたこんなにイケメンを野放しにしちゃダメよ!また取られたりしないように、逆プロポーズする勢いでいかないと。もうっ、あんたは優しすぎて1歩引いたところがあるから……」
お母さんの弾丸トークに、波瑠が若干顔をひきつらせた、
「母さん、プロポーズは憧れだってあるんだからな。
そればっかりは波瑠くんからさせてやれよ。」
お兄ちゃんがテーブルの方からソファーへと歩きながら言った。
「次に瑠碧さんが沖縄に来てくれた時に、うちの両親に会ってもらってから入籍にしたいんです……」
波瑠が恐る恐る言う。
「そりゃそうだね。瑠碧、来月行くんだろう
ちゃんと挨拶をしてこい。こっちから戸籍謄本持っていくの、忘れるなよ。」
私が何の事か分からずにいると、
「もぅっ、あっちでその時に入籍してきなさいって言ってるのよ。どうせ春には一緒にいるのなら、大丈夫でしょう。」