潮風とともに
「母さん、何泣かしてんだよ。
瑠碧、どうした?何かあったのか??」
波瑠が本当に心配をして俯く私の顔を覗きこむ。
私は首を横にふって、違うと伝えた。
「何もないわよ。赤嶺家に嫁いできた嫁同士の話よ。」
さぁ、行こうねとお母さんに促されて、
私は波瑠の手を握って居間に戻った。
居間に戻ると、みんなからの祝福の声をかけられ、
波瑠は冷やかされ……
お父さんの会社の人からいつ入籍するのー?と聞かれて
波瑠が
「あ、入籍は明日。」とぼそりと言うと
あんなに騒がしかった空間が一瞬でシーンと静かになった。
「はぁ??明日??波瑠、本当かっっ!!!」
弘人さんが立ち上がってあまりの驚きに大声をだす。
「弘人、うるさい。瑠碧のお父さんたちが、こっちに挨拶がすんだらすぐにでも入籍だけでもしてこいって、
戸籍謄本までくれたからな。」
ニヤリと笑って言った波瑠は、私をそっとみつめて優しく微笑むと、頭を撫でた。
「ちょいちょいー甘い雰囲気は二人の時だけにしてっ!」
ミキちゃんに言われて顔があかくなる。
その時玄関で、声が聞こえてきて、また誰かが来たことがわかった。
「お邪魔しまーす。おい波瑠!ミキから連絡もらってビックリした!おめでとう!瑠碧ちゃんも、ありがとうね!」
そう言って入ってきたのは、悟さんとゆかりさんだった。
波瑠の前に泡盛の化粧瓶が置かれる。
「本当、おめでとう。瑠碧ちゃん、4月にこっちにくるんだってね?待ってるからね!」