潮風とともに
「そろそろ帰ろうか。」
弘人さんのその一言で時計をみると、もう日付が変わっていた。
「そうだね。明日も仕事??」
美穂がスツールから立ち上がりながら弘人さんに聞いていた。
「いや、明日は休みだよ。もしよかったら案内しようか?それとも、もう行き先は決まってる?」
「え!いいのー?まだ明日は決まってないから嬉しい!
瑠碧、案内してもらおうよ!!」
美穂が私の腕を掴んで揺さぶって言う。
「そうやね。案内お願いします。」
私が弘人さんを見ていうと、ニコリと微笑んでくれた。
そのまま話ながら店を出てしまい、支払いが気になって弘人さんに聞いた。
「いいって!おれ仕事ばっかりであんまり金も使わないからさ。今日くらいは奢らせてよ!」
そう言って私が握っていたお金をまた私の鞄に入れた。
申し訳なく思っていると、
「美人な二人と飲めて楽しかったし、ほんといいから!」
そう言われて私と美穂はありがとうと有り難くお礼を言った。
タクシーでホテルに帰ると、
もう少し話をしたいからと、美穂と弘人さんはホテルの隣の敷地にある従業員用の弘人さんの家へと行ってしまった。
これはもう、帰ってこないな……
ほんと美穂は……
でもまぁ、弘人さんは優しいし、大丈夫かな。