拗らせ女子に 王子様の口づけを
ちょっぴり熱くなる頬を自覚して、両手でパチパチ撫でる。

「秦野さん、今日はありがとうございました。また一緒に飲みましょうね」

あの日の事で私の事をどう思っているのか心配だったけど、秦野さんは本当に素敵な人だった。
嬉しくなって自然と頬が緩む。

満面の笑みで秦野さんを見ると何故か目を見開かれた。
首をかしげて見上げると、言葉に詰まってる。
尚更訳が分からない。
はて。

「どうしました?」
「っ、う、うん。あのね、早川さん、可愛いなって思って。ちょっと奏輔の気持ちも分かるかも」

はい?
さっぱり意味が分からない。

「さっ、結構時間もたっちゃったしそろそろ帰ろうか?また来ようね」

「はい。是非!」

その前に御手洗い、と秦野さんが席をたったのでみのりに連絡する。
『今からお店を出て帰ります。駅近くで飲んでたから帰りはいつもと同じ電車だよ。だから安心してね』
『またお家に着いたら連絡するからね』

いつも思うけど、みのりが彼氏だったら良かったのに。
彼氏とするようなこんなラブラブメール、みのりにしか送ったことがないなんて、悲しい26歳だよね……。
いいもん、いいもん。
みのりでいいもん。

ちぇっ。


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