拗らせ女子に 王子様の口づけを
「お待たせ。良かった?」
「はい!」
「じゃあ行こうか」
奢ると言い張る秦野さんに、次が誘いにくくなるからと割り勘でお願いした。
むしろこの前の謝罪として私が払いたいくらいだ。
お互いの中間点で割り勘で落ち着いて、
「割り勘にするから又誘うから行こうね」
そう言ってくれる秦野さんがやっぱり好きだと思った。
駅まで一緒に歩いて、沿線が違うからここでお別れだ。
「秦野さん、今日は本当にありがとうございました。とっても楽しかったです。色々お話聞いてもらってありがとうございました!又行きましょうね」
酔いも少し回り、頬を緩ませながら話す私を妙に心配される。
「私も楽しかったわ。又是非!……ねぇ、早川さん、大丈夫?送ろうか?ちゃんと帰れる?」
まだそこまで酔っている訳ではないので!と秦野さんの申し出を断って、大丈夫ですよ?と何度も言ったのに、何故か心配そうにブツブツ呟いている。
どうしたんだろう?
ここで話してても秦野さんも気にしちゃうかな。そう思って、
「大丈夫ですよ!じゃあ」
と、踵を返した。
秦野さんは、慌てて私を引き留めようとしてるけど、ここで立ち止まったら押し問答の繰り返しだ。
悪いと思ったが、ここは突破しよう。
そう思ってスピードを早めると、
「おいっ、」
と、急に肩を掴まれた。
突然の事にビックリして「ひゃぁっ、」と、小さく悲鳴をあげて立ち止まると、私の隣には息を切らした三矢が何故か立っていた。
は?三矢?