拗らせ女子に 王子様の口づけを

コン、と音がしたドアに視線をやると開けたドアにもたれかかっていた奏ちゃんがいた。

えっ?
なんで!?

「そろそろ、いいか?三矢、時間」

私とは目を合わせることをしないままそれだけ言うと会議室を出ていった。
不機嫌そうな態度。

奏ちゃんとはあのときから全く話していなかった。

悲しくて、近づけなくなって、開いてしまった距離が、時間がたつごとに縮め方が分からなくて。

今ではどうやって話してきたのかさえ分からなくなっていた。

狡いとわかっていても、この状態で三矢に距離をおかれることが怖かった。
私を好きだと、優しくしてくれる三矢に甘えたんだ。
最低すぎる。

「ごめん、三矢」

三矢の事を利用している事は分かってる。だけど、今はまだ何かにすがり付きたくて、謝る言葉が口を出る。

「ん、平気」

私からの謝罪は、引き留めてしまったことだと勘違いした三矢はそう言って会議室から出ていった。

ごめん。
ごめんね、三矢。
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