拗らせ女子に 王子様の口づけを

このままじゃいけない。
仮にも社会人として引きこもってちゃいけない。
いつまでも三矢に甘えてなんていられない。

とりあえず出来ることから始めるとして、先ずは巣からの脱出。

ま、まぁささやかすぎる一歩だけど。

そう思って私が引きこもらなくなったのはすでに9月になる頃だった。

フロアのデスクで仕事をしていると、設計に用事で足を運ぶ奏ちゃんの姿をよく見かけるようになった。

その姿を見たくなくて引きこもっていたってこともあるんだけど、引きこもりすぎて奏ちゃんに会いたくなった。

会いたくないのに、会いたくて。
話しかけることも出来ないのに、声だけでも聞きたくなった。

どこまで好きすぎるんだろう。

自分で作った距離なのに。

結局は、前に進まなきゃなんて高尚な言い方しておいて奏ちゃん不足な自分の為だ。


本当、最低だ。



< 133 / 162 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop