拗らせ女子に 王子様の口づけを
いつの間にか会社の駐車場に車が止まり、三矢が車を降りた。
トランクから資料を取りだして戻る準備をしている三矢を車から降りてドアに凭れながらぼんやりと眺める。
「じゃあ、今日はお疲れ様でした。失礼します」
軽く頭を下げて踵を返す三矢に何も言うことが出来なかった。
三矢の台詞が胸に突き刺さる。
沙織を解放する。
何から?
俺から。
兄貴が、家族が、離れなきゃいけない理由なんてないはずだ。
俺が、離れる理由も。
兄貴なら。
『奏兄、知ってた?私達って兄妹じゃないんだよ。ただ昔から知ってるってだけの他人なの』
俺は沙織のために何が出来るんだろう。
あの日の沙織の言葉が、表情が、頭から離れない。