拗らせ女子に 王子様の口づけを
ーside 奏輔
「お疲れさん。少し遅れた、悪い」
高宮と入った居酒屋はこいつらの行きつけの店らしい。
今日は久しぶりに沙織とゆっくり話せると思ったのに、なんでこいつらがいるんだ?
入った個室では、なぜか三矢という昼に会った沙織の同期が沙織の隣に座っていて、反対には守屋が座っていた。
必然的に向かい側に座ることになったんだが、なんでこいつまでいるんだよ?
同じ社内の人間が集まれば、話題は仕事の話になってくる。
酒を飲む沙織。
本人はそこそこ飲める方だと言ってるが、目元がちょっと下がりぎみじゃないか?酔っている程じゃないが、楽しいんだろうな。
ほんのり染まる頬に無防備に微笑む沙織が小さい頃を思いだして可愛い。
そういえば、あの噂の事をはっきりさせておかないと。
沙織に彼氏?
何かの間違いだろうけど、心穏やかではないからな。
俺に内緒でそんな事、、、やめてくれ。
十中八九みのりちゃんだろうけど。
「沙織、今日の事はみのりちゃんに言ってあるのか?」
「えっ?ううん急だったから話してない」
「後でちゃんと言っとけよ。帰りも俺に送って貰ったって言っとけよ」
「へっ?」
「飲み会の度に迎えに来る彼氏って、どうせ、みのりちゃんだろ?」
「なっ、、、なんでそれをっ!!」
「あの子が沙織を一人で歩かせるかよ」
「!!!!!!!」
声にならない声で叫ぶ沙織。
ほらな、やっぱりだ。
次長クラスと仲が良いなら色々言われてるだろうし、彼氏に仕立てて程のいい虫除けに使ってたな。
まぁ、それもみのりちゃんの仕業だろうけど。
「もぉーーー奏ちゃんのバカっ!」
少し酔って赤くなった頬を膨らませて、睨みながら怒られた。