拗らせ女子に 王子様の口づけを
「はっ?」
声をあげたのは奏輔だった。
思わず出てしまったようで、瞬時に眉間によった皺を戻し、ぎこちない笑顔をみのりに向ける。
「珍しいね。みのりちゃんが沙織に男を近づけるなんて。それに、今日は僕が送るよ?今の沙織の家も見ておきたいし」
「最近はそうでもないですよ?私たちも良い歳ですしね。それでなくても沙織はモテますから。変な男に捕まるよりも、大事に守ってくれる人を見つけてあげたいんです」
笑顔のまま穏やかに話しているようで、火花が散っている二人の会話に周りは興味津々だ。
こんな野々宮は珍しいと、高宮も苦笑する。
「後、今日は私が送っていきますわ。野々宮先輩はまだ沙織のお家分からないでしょ?沙織も寝てしまってるし、教えられないですから」
「いや?住所は知ってるよ」
「オートロックの解除番号まではご存じないですよね」
「………………ッ、」
「さすがに寝ている沙織を連れては行けませんから、今後の事を考えて、三矢くんにお願いしようかと。三矢くん?良い?」
突然振られた三矢は戸惑いながら首を縦にコクコク頷いた。
「では、今日はこれで失礼します。私、明日も早いのでごめんなさい。守屋さん達もわざわざありがとうございました。よろしくお願いします。あっ、連絡先だけ教えていただいても良いですか?」
奏輔は、ぼんやりと番号交換をする三矢と女性陣を見ていた。
たしかに沙織ももう25歳だ。
今まで彼氏がいなかったのが不思議な位だ。
いや?…………俺が知らなかっただけで離れていた間に居た?
………………ッ、って、良いじゃないか。
みのりちゃんの言うとおり、沙織を大事にしてくれる誰かが居たほうが……。
なんでこんなにイライラしてんだよ。
言い様のない不快感が奏輔を襲った、、、。