拗らせ女子に 王子様の口づけを
その事に少し気持ちを持ち直した。
目の前が急に暗くなったと思ったら、バチッと鋭い痛みが走る。
「痛い!」
思わず歩を止めて眉をさする。
「だから眉間。戻らなくなるぞ」
「痛い。痛いってば三矢、何すんのよ」
涙目になって、三矢を睨む。
一瞬言葉に詰まった三矢に顔を傾けて「どうした?」と視線で訪ねた。
「っ、何でもねぇよ。何食べたい?早く行こうぜ」
「だから、ラーメン食べたいんだって」
「まじか」
「家の近くに美味しいラーメン屋さんがあるの。いついっても並んでるからさ、一人で並びたくなくて。三矢のお家から遠くなるかもだけど、そこ行かない?」
一人でお店にはいるのは平気だけど、何時間も一人で並ぶ気にはなれないんだよね。
と、そのまま言葉を繋げる。
どう?と、三矢を見つめてお願いする。
少し顔が赤くなった三矢に、首をかしげ駅のホームは蒸し暑いからだなと一人納得する。
私だってジメジメして暑い。
「っ、いいよそこで。どうせ帰りも送るんだから早川の家の近くで構わねぇよ」
三矢の台詞にため息が出た。
こいつもしつこいな。
「ねぇ、そんなに私って信用ない?ちゃんと帰れるわよ」
「それもあるけど……俺が送りたいんだよ」
さらりと言葉にする三矢に胸がきゅんとした。
イケメンは言うこともイケメンだった。
なんか狡い。