拗らせ女子に 王子様の口づけを

「来週、私の誕生日に誘ってぶつかってみる!」

「うん。頑張れ」

本当は誰よりも私の気持ちが分かって、誰よりも私の事を心配してくれるみのり。

「ふふふ。みのり、大好き」
「はぁん、なんて可愛いの沙織は」

ぐりぐりと頭を撫でられて、泣きそうになるのをぐっと堪えた。


8月5日の金曜日。
私の26歳の誕生日。

奏ちゃんにお誘いを入れて、心待にする。



『奏ちゃん!8月5日の夜、ご飯行きませんか?』

『誕生日だろ?分かった、食べたいもん考えとけよ』

『わーい!話が早いね(笑)』
『楽しみにしてるからね』

『了解』


奏ちゃん、好きだよ。
ずっと、ずっと、好きなんだよ。
だからお願い。
せめて私の好きをきちんと認めてね。




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