クールな御曹司と愛され政略結婚
姿見の前で服を着はじめる私に続き、灯も伸びをしてベッドを下りてくる。
そうだ、メイクしなきゃと思っていると、まだ熱を残した身体で、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「しゃきっとしてよ、野々原プロデューサー」
「俺と仕事と、どっちが好き?」
「僅差で灯かな」
「僅差かよ」
舌打ちしつつ、灯も手早くクローゼットから服を出し、着替えをする。
「でも待ってくれないのは仕事のほう」
「至言だな」
「灯は?」
「ん?」
シャツに袖を通しながら、灯が聞き返した。
「私と仕事と、どっちが好き?」
「圧倒的に唯だな」
「よく言えるね!」
そこまで言うほど優先された記憶、まったくないんですけど!
調子のいい背中を叩くと、袖のボタンを留めながら、灯が笑った。
そうして私のほうに首を伸ばして、優しいキスをくれる。
髪をまとめながら、それを受ける。
「ほんとだぜ」
「そうかもしれないけど」
「仕事に、愛してるなんて言いたくなったことない」
不覚にもぽかんとしてしまった私に、灯がにやりと笑った。
赤くなる顔を、よしよしとキスでかわいがられて、屈辱にそれを押しのけた。
ずるい。
「今、何時だ?」
「1時前。車だね」
寝室を出ていくとき、ちらっと肩越しに振り返る顔は、もう仕事の顔。
私が仕事に点が甘いのはね、灯のそういう顔が好きだからでもあるんだよ。
言わないけど。
そうだ、メイクしなきゃと思っていると、まだ熱を残した身体で、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「しゃきっとしてよ、野々原プロデューサー」
「俺と仕事と、どっちが好き?」
「僅差で灯かな」
「僅差かよ」
舌打ちしつつ、灯も手早くクローゼットから服を出し、着替えをする。
「でも待ってくれないのは仕事のほう」
「至言だな」
「灯は?」
「ん?」
シャツに袖を通しながら、灯が聞き返した。
「私と仕事と、どっちが好き?」
「圧倒的に唯だな」
「よく言えるね!」
そこまで言うほど優先された記憶、まったくないんですけど!
調子のいい背中を叩くと、袖のボタンを留めながら、灯が笑った。
そうして私のほうに首を伸ばして、優しいキスをくれる。
髪をまとめながら、それを受ける。
「ほんとだぜ」
「そうかもしれないけど」
「仕事に、愛してるなんて言いたくなったことない」
不覚にもぽかんとしてしまった私に、灯がにやりと笑った。
赤くなる顔を、よしよしとキスでかわいがられて、屈辱にそれを押しのけた。
ずるい。
「今、何時だ?」
「1時前。車だね」
寝室を出ていくとき、ちらっと肩越しに振り返る顔は、もう仕事の顔。
私が仕事に点が甘いのはね、灯のそういう顔が好きだからでもあるんだよ。
言わないけど。