私って、男運がないと思うんです
でも、そんな幸せな気分は
目が覚めてすぐに崩れ去った。
さっきまで感じていたように思える彼女の温もりがなかったからだ。
狭いホテルの部屋を落ち着きなく見渡して、どこにも彼女の痕跡がないことを確認すると
「くそっ」
思わず悔しさが抑えきれなかった。
自分だけじゃなく彼女も俺を求めてくれいると感じたのは勘違いだったのかと呆然とした。
だけど、
首に絡みつくしなやかな腕
熱っぽい眼差し
我慢できずに「欲しい」と涙をにじませる表情
どれを思い返しても勘違いじゃないはずだと思えた。
今日もするっと自分の手をすり抜けていってしまった彼女をどうにか捕まえたい。
ただ、まだこの時は彼女に対するこの気持ちが、どこからきているのか、それを考えないようにしていた。