私って、男運がないと思うんです

振返るもんか、と思っていると

「なぁ、咲季。こっちむいて」

肩をつかんで、くるりと向きを返された。

「咲季」

もう1度、今度は耳元で呼ばれると、もう完敗だった。

「私もできるだけ一緒にいたいです。他の女の人とか、入れないでください。私だけがいい」

そう言って、ぎゅっと陽さんの腰にしがみついた。

すると満足気に「かわいいなー」と言って抱きしめかえしてくれる。



しがみつきながら、悔しいなーと1人で思う。

きっと、陽さんは知っているはずだ。

私が、陽さんに名前を呼んで欲しいと思っていることを。

そして、陽さんに「咲季」って呼ばれると嬉しくって何でも言うことを聞いてしまうだろうことも。



< 198 / 202 >

この作品をシェア

pagetop