声にできない“アイシテル”
 叔父さんと叔母さんは何も言えず、ただチカを見ている。


 しばらく間沈黙が流れて、俺は彼女の手を握った。

 うつむいたままのチカの肩がビクッと震えて、ゆっくりと俺を見てくる。


―――大丈夫だよ。

 俺は優しくチカに微笑みかける。


「チカに声がなくても、何の問題もないんだ。
 叔父さんも叔母さんも絶対にチカのことを気に入るよ。
 だって、彼女は本当にいい子だから」


 俺は自信を持って2人に言った。


「チカは自慢の彼女なんだから」


 俺が堂々と言うと、チカの顔から寂しそうな表情が消えた。


< 230 / 558 >

この作品をシェア

pagetop