イケメン貴公子のとろけるキス
◇◇◇
「夕方の四時半には、僕が必ずホテルに迎えに行くから」
その言葉通り、ルカはきっかり四時半にホテルの部屋のチャイムを鳴らした。
「Ciao!」
美術館や博物館を歩き回って、ヘトヘトになったはずだったのに、ルカの顔を見ただけで、疲れは一気に吹き飛んでいく。
仕事帰りだからなのか、今日はスーツに身を包んでいた。
昨日までのラフなスタイルとのギャップにドキッとしてしまう。
「今夜はオペラに行こう」
「オペラ?」
ルカがネクタイ姿なのは、そういうことだったのだ。
でも私は、オペラに行けるようなドレスは持ってきていない。
顔を曇らせると、ルカはうしろ手に隠していた大きな紙袋を私の前に差し出した。
「洋服ならこの通り。着てみて」
「え?」
ガイドだけじゃなく、洋服の用意までしてくれたの?