イケメン貴公子のとろけるキス

◇◇◇

お昼もそこそこに仕事に戻り熱中していたせいで、退勤時刻が過ぎたことにも気づかなかった。
そのおかげで、ルカの動向に気を取られることもなかったことは幸いだ。

パソコンのディスプレイに現れた『新着メールあり』のメッセージに気づき、Outlookをクリックした。
受信したメールを見てみれば、それはイタリア語らしき文字が並んだものだった。
ローマ支社からのメールらしい。

目を通したところで私には解読できない。
通例に従い、そのまま小夜さんに転送することにした。


「小夜さん、ローマ支社からのメールを転送しましたのでお願いします」


まだ残っていた小夜さんも、私同様に来年度の企画案作成に奮闘しているようだ。


「はい、了解」


小夜さんは、いつものように快く返事をしてくれた。
イタリア語を見て、ふと思い出したことがあった。


「小夜さん、ミセイマン……なんとかって、どういう意味ですか?」

「Mi sei mancata?」

< 77 / 91 >

この作品をシェア

pagetop