イケメン貴公子のとろけるキス
◇◇◇
お昼もそこそこに仕事に戻り熱中していたせいで、退勤時刻が過ぎたことにも気づかなかった。
そのおかげで、ルカの動向に気を取られることもなかったことは幸いだ。
パソコンのディスプレイに現れた『新着メールあり』のメッセージに気づき、Outlookをクリックした。
受信したメールを見てみれば、それはイタリア語らしき文字が並んだものだった。
ローマ支社からのメールらしい。
目を通したところで私には解読できない。
通例に従い、そのまま小夜さんに転送することにした。
「小夜さん、ローマ支社からのメールを転送しましたのでお願いします」
まだ残っていた小夜さんも、私同様に来年度の企画案作成に奮闘しているようだ。
「はい、了解」
小夜さんは、いつものように快く返事をしてくれた。
イタリア語を見て、ふと思い出したことがあった。
「小夜さん、ミセイマン……なんとかって、どういう意味ですか?」
「Mi sei mancata?」