絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
聞こえていないはずがないのに、山岡君はあたしの声も無視して部屋を殴り続ける。
その拳は赤くなってきていた。
「山岡君、本当にもうやめなよ」
彩美が同じように声をかける。
その時だった山岡君が振り返りあたしたちを睨み付けて来たのだ。
その目はとても冷たくて、言葉が出て来なくなってしまった。
「……お前らになにがわかる」
震える声でそう言い、また部屋を蹴りはじめた。
ガンガンと響き渡る音。
酒本君と公恵は更に面白がって「山岡、部屋を壊せ! ぶっ壊せ!」と、応援を始めている。
山岡君はその声に反応するかのように「おおおおぉぉぉ!!!」と雄たけびを上げて拳を振り上げた。
やばい……。
あたしは本能的にそう感じとり、後ずさりをした。
この光景を<mother>が見ていないわけがない。
あたしは彩美の手を掴んでその場から離れようと体の向きを変えた。
その時だった。
バンッ!と何かが弾けるような音がして、あたしは足を止めた。
次の瞬間バラバラと生暖かい雨が頭上から降り注いだ。
それは真っ赤な血と、肉片で、間違いなく山岡君のものだった。
そして、体育館内に悲鳴が響き渡ったのだった……。
その拳は赤くなってきていた。
「山岡君、本当にもうやめなよ」
彩美が同じように声をかける。
その時だった山岡君が振り返りあたしたちを睨み付けて来たのだ。
その目はとても冷たくて、言葉が出て来なくなってしまった。
「……お前らになにがわかる」
震える声でそう言い、また部屋を蹴りはじめた。
ガンガンと響き渡る音。
酒本君と公恵は更に面白がって「山岡、部屋を壊せ! ぶっ壊せ!」と、応援を始めている。
山岡君はその声に反応するかのように「おおおおぉぉぉ!!!」と雄たけびを上げて拳を振り上げた。
やばい……。
あたしは本能的にそう感じとり、後ずさりをした。
この光景を<mother>が見ていないわけがない。
あたしは彩美の手を掴んでその場から離れようと体の向きを変えた。
その時だった。
バンッ!と何かが弾けるような音がして、あたしは足を止めた。
次の瞬間バラバラと生暖かい雨が頭上から降り注いだ。
それは真っ赤な血と、肉片で、間違いなく山岡君のものだった。
そして、体育館内に悲鳴が響き渡ったのだった……。