絶叫脱出ゲーム③~クラスカースト~
生き残る方法
山岡君の血液はそこら中に散乱していて、まるで血の海のような状況だった。


生徒たちはモップを持って来たりして掃除をしているが、水が使えないから綺麗に拭き取ることができていなかった。


「最悪、なんであたしが山岡の後処理なんてしなきゃなんないのよ」


公恵はさっきからブツブツと文句をいいながら、掃除をしていた。


それでも手伝っているからいいとしても、酒本君は掃除を手伝う気さえないようで、少し離れた場所に寝転んで寝息を立てていた。


「山岡君、それほどあすかの事が好きだったんだね」


あたしは雑巾で床を拭きながら彩美にそう言った。


「そうだね、あたし全然知らなかった」


「うん」


気持を伝える前に死んでしまったから、悔しい思いも強かったんだろう。


拭き掃除をしながら、中村君とあすかのバトルを思い出す。


突然豹変した中村君に、少しも反応できなかったあすか。
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