イマカレモトカレ 永遠の愛は?


「楓って奥さんの名前だよね?
奥さんの妹だったんだ・・・
まずかったね」


「お前が気にすんな」


「早く帰った方がいいよもう帰ろ
あたしはここから帰るから」


「海は?」


「そんな気分じゃない」


「気にしなくてもいいから
乗れよ」


「いい!揉め事嫌いだから」


「いいから乗れ!」


「いいって!」


あたしも強情
乗るわけにもいかず・・・。


「家に送るよ!
それならいいだろ?」


こんなところに置き去りにされても困るし。


「家庭が揉めちゃったらごめんね
先に謝っとくわ!
でも 言われても別に悪いことは
してないから大丈夫だと思うけど」


「そんなことで揉めたりしないよ
心配すんな」


あの和典さんの奥さんの顔が浮かんで
『死ね!』『泥棒猫』『地獄に落ちろ』
という言葉が頭の中をグルグルまわる。


さっきまで少し忘れていたのに・・・。


「どうした?顔色悪いぞ?」


「なんでもないよ」


「どこか具合悪いのか?
飯も食えねーし 寝れないって・・・」


「さっきもそう言ってたけど
それをどうして知ってるの?」


あっ・・・夢子か・・・。


「でも今日はみんなのお蔭で
結構食べれたし!」


「じゃあ 後は寝るだけか?」


「まぁね」


すると貴弘は家に送るといったくせに
違う道を走り出した。


「えっ?どこ行くの?
帰らないとまずいって」


「乃愛が余計なこと考えなくていい」


と言ったかと思うとあたしの座ってる座席を
倒した。



「少しだけ走ってやるから
少しでも寝てろ
元カレだからしてやるんだからな」


それでも
優しくしすぎだよ貴弘。





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