オフィスの野獣と巻き込まれOL
歩きながら、淑子ママのことを考えていた。
あのママも、年取ってるから、いつポックリ行くとも限らない。
せっかく近くまで来たんだから、顔を見せに行きたい。
やっぱり、会いに行こう。
「私、ちょっと
寄りたいところがあるんだけど」
「ご苦労さん、遅いから気を付けて帰れよ」
キモは全然、乗り気じゃない。
「いいじゃない。ちょっと付き合ってよ」
「お前、今何時だと思ってる」
目が怒ってる。
「夜の街は、これからじゃないの」
私は、彼の腕を取って、逃げられないように自分の腕を絡める。
「おい、いい加減にしろ。俺は、サラリーマンだ。明日もある」
「本当にこの近くなの。知ってるお店があるのよ」
「一人で行けよ。俺は、もう帰る」
「ダメ。だって。女一人で店に行くのは、心細いもの」主に金銭的に。
昔、働いていた馴染みの店だと言っても、銀座の高級クラブだ。
私の財布だけでは、心もとない。
これは、絶対に帰してはならない。
「そこねえ、すんごい綺麗な人がいるんだって、ねえ、ちょっとだけ顔だそうよ」
「嫌だ」
「あら?そうなの。この辺りの店の噂、聞けるかもしれないよ。
そこのママ、古くから店やってるから」
私は、渋るキモの腕をしっかりつかんで引っ張っていった。
さっきの店から、ほんの数分でたどり着いた。
学生の頃、私が働いていた店
「クラブ淑子」だ。