オフィスの野獣と巻き込まれOL
「何か、変わっちゃったね。この界隈も」

私が知ってる範囲なんてすごく狭い範囲だけど。

かつて勢いがあったものが、無くなっていくのを見るのは寂しい。

かつて高級クラブが並んでいた街並みを見渡す。

「高級な店だって、ちゃんと生き残ってるさ」

「うん」

「それで?何が分かったのか?」

キモは、たいして興味もなさそうに言う。

「義彦君は、店に実際にお金を使わなかった」

「その可能性は高いな」

「それに、経費だって認められる可能性、ないんでしょう?」

「ああ。そりゃあそうだ。領収書がデタラメだったんだから。

しかも、どう見ても備品代に使われた可能性は薄い。

その上、交際費ですらとなると。しばらく前の領収書も調べる必要がある」

「調べてどうするの?」

「こういう領収書が過去に認められて、お金が支払われたとすると、
そのお金は、役員等の個人的な目的で使ったお金だという事になる。
そうなると、法人税の計算上都合が悪くなる」

「うん」それは、確かに不味そうだ。分からないけど。


義彦君、何してるんだろう。

私を取引の材料に使って、何をさせようとしたの?

実際に使っていないお金を、経費で落とすなんて。

お金のことで、苦しい立場に立ってるの?
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