オフィスの野獣と巻き込まれOL


途中で、他の常連さんも加わって、私たちのテーブルに人だかりができた。

その人達が、お互いにお酒が振るまいあう。

私は、昔の顔なじみの懐かしい話に夢中になっていた。

会社を引退して、来なくなった人も多かったけど。

こうして、何年も同じ店に通ってママに会いに来るのだ。

あっという間に、老人会のようになった。

店では、世代交代も起きていた。

その頃、上役に連れられてきた中年のおじさんだった人が、会社の重役とか社長になっていた。

「なんだ、美帆ちゃんまだ結婚してないのか」

「うるさいなあ。放っておいて下さいよ。おかげさまで、私はまだ、OLしてますよ」

「へえ、頑張ってるじゃないか。よく務まってるな。ずっと椅子に座ってオフィスにいるなんて」

「和夫君に出来るんだから、私にだってできます」

「美帆ちゃんに会えるなんて、嬉しいね。生きてるうちに会えるなんて思ってなかったよ」

「みんな、簡単に死ぬような人じゃないでしょ?」

昔は、口の利き方がなってないって、ママに怒られたけど。

そういう態度の方が喜ぶ人には、そうしていた。

だから、今になって急に敬語になるのも不自然だ。

馴染みのない常連さんも加わって、店全体が一つの輪になって盛り上がる。

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