オフィスの野獣と巻き込まれOL
翌日のお昼。
早速私は、山科君と亜美に言い寄られた。
山科君は、私に教えてくれた領収書のこと亜美にも話したんだろうか。
「美帆、どうだった?」
山科君が、会議室のドアを閉めた途端に、待ち構えた様に質問してきた。
期待感たっぷりの目をして、私に詰めよってくる。
「どうだったって……」
何から話せばいいのか。
えっと。
何か言おうとしても、最初からキモの事で躓く。
キモのこと、話した方がいいのかな。
彼に会ったっていう事でさえ、山科君に話していいものか判断がつかない。
経理部のファイルを探していて、キモに見つかったんだけど。
話すべきか。話さない方がいいか。
ああどうしよう。
「えっと」
「ファイルは見つかった?」
「うん」私はポケットを探って、くちゃくちゃになったコピーの方を二人に見せた。
「やっぱり、一緒に行けばよかったね」山科君がそれを見て、ため息をもらした。
私は、首を振って否定した。
「いいえ、一人の方が良かったよ」こんな事で、人を巻き込みたくない。
「どうかしたの?」
亜美が心配そうに聞いてくる。
「どうって」えっと。
昨日はぐっすり寝てしまって、考える時間がなかった。
「コピーして、持って帰って……」
うんと……
「そっか。やっぱり、電話するだけじゃダメだろうな。
直接、会社に行った方がいいな。行けば、分かるかもしれないし」
「いや、行っても無駄だと思う。現地には、オフィスなんてなかったし」
「詳しいな。美帆。そうなのか?」
山科君が驚いて言う。
「何でわかったの?」亜美は、心配そうに私の顔を覗き込む。
「ちょっと、住所だけ確かめたのよ」
「ふーん」