オフィスの野獣と巻き込まれOL
そういう山科君も、眠たげに欠伸をする。
山科君が悪い、俺も寝かせてってジェスチャーで示す。
「京都駅に近づいたら、起こしてあげるから。二人とも寝てていいよ」
わかったと、私も返事をした。
「サンキュー」
山科君も座席に深く座って、眠り出した。
すーっと微かな寝息が聞こえてくる。
堀川課長が、通路側にいる私の肩にもたれかかって来た。
肩にしっかりとした、彼の重みを感じる。
大きな体。
スーツを着てると分からないけど、課長は見た目ほど細くない。
重たい。
思いきり、体重をかけてきてる。
山科君の方に倒してやろうと思ったけど、彼も、疲れてるみたいだ。
山科君の睡眠を邪魔するのは、可愛そうだ。
低い私の肩にもたれかかって、無防備に寝顔をさらしている。
こんな姿を見ると、普通人に見えるのに。
この人の肩に、どれだけ圧力がかかっているのか。
一緒に働くようになって、山科君から教えてもらうようになった。
前社長を引き継いで経営を任されたのは、義彦専務のお父さんだ。
現社長に代わってから、会社は利益を減らしてきた。