オフィスの野獣と巻き込まれOL
『油断するな?』
私、そんな、油断してた?
二人の後についていき、
新幹線の出口を通り過ぎる。
その時、課長が触れた唇にそっと指で触れてみる。
何が起こったの?
首筋に
彼が甘噛みしたところ
それから、
彼の顔で目の前がいっぱいになって……
不意に重ねられた唇の感覚が、
何度も。何度も。
鮮明な映像付きで、生々しく反芻される。
その時に、心臓が跳ね上がってドキドキする。
私の方は、ドキドキされっぱなしなのに。
課長は、涼しい顔して山科君と話してる。
私は、課長にもらったミント味の小さな粒を口に入れた。
部下として、会議室で仕事をしてても。
普通に横にいることに慣れてきていた。
彼の体、に偶然触れてしまっても、わりと大丈夫になっていたのに。
そういう時に、課長に対する熱い感情が、
時間を選ばず、場所を構わず、様々な時に湧いてきても。
表に出さないように、コントロールして、顔の筋肉で押さえつけてた。
何とか、表情に出ないように出来てた。
それなのに。
なんてことしてくれたのよ。今までの努力が水の泡だ。
彼が私の視界に入っただけで、感情が溢れて来る。
今すぐ走って行って、その腕にすがりつきたい。
すがりついて、ぎゅっと抱きしめて欲しいなんて思ってる。
心臓がうるさい。
顔が赤くなるのが止まらない。
これから、人に会ってスケジュールの管理をしなければならないし、
三日間、この人と一緒だと言うのに。
本当にどうしてくれるのよ。