オフィスの野獣と巻き込まれOL


まあ、とりあえず……

気を取り直して。メニューを見よう。

キモは、お店の人に窓際の席はないかと注文を付けてくれた。

「かしこまりました」丁寧に案内されて席に着く。

さっと店の様子を見渡した。店の雰囲気も素敵だった。

照明を落とした大人っぽい内装に、窓からは夜景が下の方に見える。
落ち着いた木目調の内装で、雰囲気もいいお店。

間違いなく高級店だ。

メニューのラインナップもいい酒ばっかり。テンション上がる。

「響き!12年」
いいや、もっと古いのから行ってみよう。


最近お目にかかれなくて。飲む機会あんまりなかった。

「いや……ちょっと待て」なぜかキモに止められた。

なによ。私の『響き』に文句付ける気?

「とりあえず、シャンパンでも飲もうか。ウィスキーは後に取っておこう」

「はい」そっか。高い酒を阻止しようとしたわけじゃないのね。

『響さん』もう少し待ってね。


キモは、どれがいいかなと言って、メニューを見ながらブツブツ言いながら、注文した。

銘柄はこれでいい?って聞かれた気がするけど。

足元に広がる夜景がきれいで、全然聞いてなかった。

仲間内で飲みに行くときは、量と長居できる事を優先する。

安酒にみんなで大騒ぎが基本だから、こういう店に来た記憶がほとんどない。

「よろしいですか?」テイストを確認するように言われ、キモがグラスを持ち上げる。


シャンパングラスに淡くてきれいな琥珀色の液体が注がれていく。
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