オフィスの野獣と巻き込まれOL

「お待たせしました……」

橋本さんが戻って来て、頼んだものを受け取ると、課長が声をかけた。

「早速、工場の方を見に行くか」

橋本さんを先頭に事務所を出る。

最初に、敷地内の奥にある倉庫を目指して歩く。

課長はもう、図面なんて頭に入ってるんだろうけど、橋本さんの前で拡げて見てる。

四角い土地に、箱型の大きな建物が立っている。

その手前に、管理事務所とトタン屋根のプレハブの建物がある。

その奥に、ひときわ大な建物が立っている。

私はこれが工場だと思っていたけれど、それは違った。

この建物は倉庫だっのだ。

工場が建っていた場所は、今はコンクリートで固められている。

今は、更地のままだ。

敷地の上には、なにも建っていない。

「ここには元々、大きな工場が建っていたのですが、老朽化で取り壊されました。

私たちも、すぐにも、新しい工場が建つものだと期待していたのですが……」

橋本さんは、更地になったままの地面を見つめていた。

< 175 / 349 >

この作品をシェア

pagetop