オフィスの野獣と巻き込まれOL
「その、頭、何?」目の前に、彼の頭が見えた。
口元が緩んだ。ほんと、お酒ってしょうがない。
とうとう私は、これまで口にしないようにしていた禁句を言ってしまった。
キモがじろっと睨んできた。
「頭?髪型のことか?」意外にも。
キモは、即座に怒るんじゃなくて、普通に聞き返してきた。
何だ、結構、普通に柔らかい性格してるじゃん。
髪の毛に触ってみる勇気はないから、彼の腕をパシッと叩く。
酒に寄ったら無礼講。水に流して頂戴ね。
なんて鼻歌うたいながら彼を見る。
「髪型じゃないって。違う。その匂いよ。よくそんな匂いさせて歩くわね」
私は、彼の前で鼻をつまんで見せた。
髪型は百歩譲るとして、その髪に塗ったくってるのだけは、頂けない。
私は、彼の頭にさらに近づこうと背伸びした。
匂いは、元から確かめてみないとと分からない。
「頭になにを付けようが、俺の勝手だ」
おでこに手のひらを当てられて、遠ざけられた。
言葉は乱暴だけど。
彼は、一応、会話を楽しんでいるようだった。
「はい、はい。そうですか。確かに近づいて匂いを嗅ごうとは思わないけど。
近くで嗅いだらどうなるの?ふあっ!!くさっ」
伸びあがって、キモの頭に鼻を近づけたら、刺激を受けて思わずこみ上げてきた。