オフィスの野獣と巻き込まれOL


課長は、駅に着くと真っすぐ改札を出て、すぐにタクシーに乗り場に向かった。

「あんなに真剣に電車の路線図を見てたわりには、あっさりタクシーに乗たんですね」

課長はあっさりお手上げだと言って、首を振った。

行き先のホテルは、電車に乗り換えればすぐだった。

「日本の鉄道は、本当にカオスだな。一度乗ったら、抜け出せない気がしてくるよ」

「大袈裟な。課長、今までどんな田舎で生活してきたんですか」

私は、声を出して笑ってしまった。

課長の言葉を借りれば、『あんなもの、サルでもわかるぞ』だ。

この場で言い返す勇気はないけど。


いくつも難しい仕事をしてるくせに、乗り換え方がわからなかったのだろうか?

課長が、笑うなと言って私のおでこを手で覆った。


「田舎と言う訳じゃなかったけど、鉄道には、ほとんど乗らなかったからな」

「地方の大きな都市とか?」

「まあ、そんな所だ」

彼にそのまま押し切られるように、車に乗り込んだので、
『課長どの町に住んでたんですか』と大事な事を聞きそびれてしまった。


タクシーで来ても、ほんのワンメーターだけど。

電車で来るのだって、間違える方がおかしいと言うほど簡単だ。

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