オフィスの野獣と巻き込まれOL
「彼って誰よ」

ホテルの豪華な朝食を堪能しながら、私は同じ質問を何度も繰り返した。

課長は、食事を終えると、ガイドブックを見ながら独り言をつぶやいている。

ガイドブックに載っているということは、彼は、仕事の関係で者ではないのだろう。

「いい加減に答えてよ。誰に会いに行くのよ」

「う~ん。どういう訳か、京都の地図をよく見たけど、どこにもいない」

「貸してみて」課長か、渡すのを渋ったので、強い口調でもう一度貸してと言った。

課長は、探すのをあきらめて、ガイドブックを差し出した。

何これ。英語じゃないの。

私は、顔をあげて課長を見た。

「Great Buddha 日本語で何て言うんだ?」

「大仏」

「そう、大仏さんだ」

「課長、悪いけど。
彼は京都には居ないわよ」
私は、笑いをこらえ切れなくなった。

「どういうことだ?」
彼は、唖然としてる。

「だから、彼は京都には居ないのよ」

「会えない?
Great Buddhaには会えないのか?」
いたくがっかりした様子なので、意地悪するのを止めた。

「それより、課長。いつから日本語より英語の方が得意になったの?」
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