オフィスの野獣と巻き込まれOL
どういうこと?何しようとしてるの、この男。

じゃなくて。

私がバカなんじゃないの?

ここまで来て、この男が何をしようとしているのか、ようやく自覚した。

ちょっと待って。

キモって、こういう奴だったの?

ウソ……

ダブっとしたダサいスーツに、ダサい髪型。

女性に対して、オドオドした態度。

女性に免疫がないって言ってなかった?


それが、なんで私をベッドで押さえつけてるの?

洗い髪から雫が垂れて、私の頬を濡らしていた。

彼はゆっくり私に近づいてくる。

長い指で水滴を拭いながら、そっと頬を撫でて雫を拭ってくれる。

髪をおろしたら、性格まで変わってしまったのか。


腰にタオルを巻いただけの体は、均整の取れたきれいな体をしていた。

七三分けのダサい男は、どこにもいなかった。

彼は不敵な笑みを浮かべて、私の体の上に馬乗りになっていた。

男前の色気を漂わせ、獣のような鋭い目で私を見おろしている。

少しでも、動こうものなら飛び掛かってきそうだ。

もう、どこにも逃げられない。

そ、そんな。



「脱ぐのが嫌なら、俺が脱がせてやろうか?それとも、着たままがいい?」

「いえ……結構です」

何があったの?

ど、どうしてこんなに人が変わったみたいになったの?

引き締まった腰回り。

うっとりするほどセクシーな体。

欲望むき出しの鋭い目が、私の胸元をとらえている。

彼に見つめられて、思わずぞくっとする。

形のいい薄い唇が、動き出して何を言いいだすのか気になる。

それなのに、私ったら。
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