オフィスの野獣と巻き込まれOL
彼の彫刻のような体に指を伸ばして、思わず触れてしまいたいなんて思ってる。
私の気持ちを見透かされたのか、彼はまた、口元に笑みを浮かべた。
指を伸ばして、私の顔をまっすぐ自分の方に向けた。
顎を上げて、顔をそっと近づける。
「ごちゃごちゃ言うな。結局、することはおんなじだろ?」
ムードのない言葉。
それなのに、耳元で聞こえる声は、体の芯まで届いてくる。
考える間もなく、唇が重なった。
乱暴な言葉とは裏腹に、ふわっとしたキスだった。
優しく優しくいたぶるようなキス。
どうして、嫌だって言えないの?
なんで、私、この男とキスなんかしてるの?
信じられない。私、会ったばかりの男とキスしてる。
「もっと、欲しいか?
それとも……キスが嫌なら……嫌だって言えよ」
私を見下ろして、自信たっぷりに言う。
「あの……」私の感情の変化を、彼は見逃さなかった。
ずっと見てたのだ。
獲物を捕まえた後、どうするのか考えるみたいに。
ずっと黙って獣のように私のこと見てたんだ。
キスされて、私は……
彼のこと物欲しそうな、うっとりした目で見つめてしまってた。
彼は、私の反応をゆっくりと確かめてキスを深めていく。
こんなの良くない。何か言わなくては。
何か言葉を発する前に、激しいキスで唇を塞がれた。
唇、塞いだら嫌だって言えないじゃないの。
えっと……
どうして、こんなことになってるのかな。
アルコールでぼんやりした頭で考える。
「考えても無駄だろう?もう逃がさないし。早く、口、開けて……」
乱暴に頭を持ち上げて、今度はむさぼるようなキスをされる。
「ちょっと待って、やめて……」私は、わずかに残った理性で抵抗する。
今日、この男とこんなふうになるなんて。考えても見なかった。
口をきいた隙に、男は、するっと舌を滑り込ませてきた。
なにこれ……
こんな男だったの。